Love&Sweet
ある夫婦の朝。 玄奘宅。玄関。 「三蔵・・・今日は帰り遅い?」 「いや、多分いつも通りだ」 ごくごく普通の夫婦の会話。 この2人はまだ、新婚夫婦。 2人のラブラブぶりは、近所では有名だった。 「じゃあ、なるべく早く帰ってきて」 そんな悟空の可愛いおねだりに三蔵は・・・。 「ああ。わかった」 返事の後、悟空にキスをおくる。 「約束だよ」 「言ってくる」 三蔵は仕事のため、会社へ出かけた。 悟空がこう言ったのには、訳がある。 今日は2月14日。バレンタインデー。 その手作りのプレゼントを渡すため、悟空は張り切っていた。 三蔵は甘いものが苦手だから、甘さ控えめの一口サイズの小さいチョコレート。 「三蔵・・。食べてくれるかなぁ・・」 悟空は、三蔵にどう渡すか考えていた・・。 ―――・しかし、その夕方。 「え・・残業・・」 会社からかけてきた三蔵の電話。 「急な仕事でな・・今日は遅くなる」 「そっか・・・。うん、頑張ってね」 悟空は、三蔵が気にしないように明るく言った。 電話が終わると、悟空は落ち込んでしまった。 「仕方ないよ。三蔵だって、忙しいんだから」 気を取り直して、悟空は夕食を作り始めた。 その時、三蔵は・・。 悟空は明るく言っていたが、電話越しの悟空は明らかに落ち込んでいた・・。 ―――今日は・・何かあったか? 三蔵がそんな事を考えながら仕事をしていると・・。 「・・・三蔵〜」 ただでさえ機嫌が悪いのに、更に機嫌を悪くする男があらわれた。 「・・・・・何だ」 「何だよ。機嫌わりぃな・・せっかくのバレンタインなのに・・」 悟浄の一言で、今日が何の日かようやく知った。 「おい」 「?何だよ、三蔵」 「とっとと仕事終わらせるぞ」 理由がわかった今、三蔵はすぐさま家に帰るため、仕事を終わらせる。 「愛の力は大きいねぇ・・」 と、悟浄はつぶやいた。 「う・・ん、やっぱ三蔵帰り遅いなぁ・・」 わかってはいるものの、つい時計を確認する回数が増えてしまう。 「早く会いたい・・」 いつも感じている事だが、今日は特別の日だから余計にそう思うのだろうか・・。 「・・三蔵」 悟空が寂しさのため、名前を呼んだ時・・。 ―――ピーンポーン 「!!」 家のチャイムが鳴り、悟空は一目散で玄関に向かう。 その扉の向こうには・・・。 「三蔵!!」 「少し遅くなったな」 「ううん、お帰り」 悟空の顔が笑顔にかわる。 2人は、いつもの通りの挨拶のキスを交わしていた。 夕食を終えた後・・・。 「はい、三蔵」 悟空が三蔵に渡したのは、ラッピングした小さい箱 中を開けると小さいチョコレートが入っている。 「作ったのか?」 「うん、三蔵は甘いもの苦手だけど・・」 ちょっと、落ち込んでいるのは、三蔵が迷惑だと思っているから。 そんな悟空のいじらしい姿を見て・・。 「・・・」 そのチョコレートを口に入れた。 「・・・・・どう?」 「これくらいならな・・・」 確かに甘いものは苦手だが、悟空の手作りならば喜んで食べる。 そうすれば、最高の笑顔が見れるから・・・。 「ほんと!?良かった〜」 安心しきった悟空の笑顔。 この笑顔が見たくて・・、どんな事でもしてしまう。 「三蔵、大好きだよ」 そう言うと悟空は、三蔵にしがみついてくる・・。 「知ってる」 そう答える三蔵も嬉しそうで・・。 自然と2人の唇は重なっていた・・・。 「三蔵・・あま・・いね」 「お前もな」 そこには幸せな夫婦の姿があった。 〜fin〜
文月さまのバレンタインfreeを頂きました。 |