71) 人肌 

 俺たちの旅に怪我は付き物。

「イテ…―――うわっ」
 自分でも思わず声を上げたそこは、手のひら半分くらいの範囲がどす黒く変色していた。
 ちょうど足首、触ると痛いしもちろん正座なんて全然ダメ。
 原因は昨日の戦闘だ。戦ってる時は痛みなんか感じないけど、着替えの時にはでっかい青タンになってた。
 こんなにヒドくなってるのは予想外だけど。
「ま、いっか。別に歩くのも何ともねえし」
 一人呟いてベッドへ潜り込む。
 それから――――

「まいった…」
 右足だけ冷たい。
 風呂に入って布団に入って身体はポカポカと暖かいのに、あの足首だけがいつまで経っても冷たいまま。
 それが気になって、眠気は一向に来てくれない。
「寝ねえと、明日ヤバいし…」
 とりあえず頭から布団を被った。途端。
「端へ寄れ猿」
「へ?」
 低い声と一緒に布団がめくられた。
「三蔵?」
 見上げた先に苦い顔の三蔵。
「端行けっつてんだろ」
 急かされて、俺はズリズリと移動した。
「ったく、世話やかせんじゃねぇよ」
 そう言って俺の隣に入って来た三蔵は、いきなり足を絡めてくる。
「さ、三蔵!―――っ痛」
「バカ猿」
 青痣に触ってしかめた顔をぐいと引き寄せられた。
「腫れが引くまで、暴れんじゃねえぞ」
 その声は、全然怒ってなくて…。
「う、ん…」
 さっきまであんなに冴えてた頭があっという間に靄に包まれた。
「さんぞ…あ、ったか、い……」
 冷たかった右足も普段の熱を取り戻したみたいだ。
 甘えるように胸に擦り寄った俺の背中で、ゆっくりとリズムを刻む三蔵の大きな手。

 明日。目が覚めたら、一番に三蔵に謝ろう。

――――ごめんなさい。もっと自分の身体、大切にする


おわっとけ


copyright(c)karing/Reincarnation_2008



3ヶ月ぶりの更新は自分の実体験。
ホントに、右足だけお風呂に入っても冷たいのです(´□`)
花淋拝

   


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