| 41) 充電
「猿、こっち来い」 宿に着いて、部屋に入って荷物を降ろして、八戒と買出しの相談をしていたら、不意に上がった三蔵の声。 何の疑いも無く、むしろ三蔵の方から声を掛けてくれたと、喜び勇んで最高僧サマの養い子は、彼に駆け寄った。 「何、三蔵?どしたんだ」 ぐいっ―――― 「え?」 腕を引かれ傾いだ身体はそのままベッド…ではなく、仄苦く香る胸元へダイブを果たした。 「お?」 「はい?」 「さ、さんぞ?」 思いがけない三蔵の行動に、おたおたと慌てる養い子は抱き込まれた胸元で、身を捩って脱出を試みた。 「三蔵、あの…八戒とごじょーが…」 二人きりの時ならまだしも、まだ陽も高い加えて目の前に仲間が居るにも関わらず、三蔵は腕を解こうともしない。それどころか、悟空を抱えたまま器用に身体の向きを変え、完全に寝入る体制に入った。 「あー…え〜っと、僕たち買出し行って来ますね」 取り残されていた場所から、現実へ先に戻って来た八戒が、顔を引きつらせながらも微笑んだ事は、ある意味奇跡だったかもしれない。 もちろんそれに対して三蔵が返事をするわけも無く、僅かに動く悟空の手が自分たちに向かって力なく振られたのを見て、未だ石化したままの悟浄を引きずって、八戒は部屋を出た。 「はっ、かい…」 「なんですか」 「今、すげぇーモン見たよな」 「そうですか?僕には何も見えませんでしたけど」 背中に疲労と悲愴を滲ませて、通りを歩く二人組。 「かなり、限界だったようですね…三蔵、が」 「ま、な…野宿と四人部屋で…半月近いか」 「…出発、明日は無理ですよね」 「……部屋、離してもらおうぜ」 肩を落とした後姿が、街の喧騒に消えていった。 「三蔵?え、と…」 「黙ってろ」 しっかりと抱き寄せられ、けれどその姿勢のまま何もしない三蔵に、悟空の鼓動は早くなるばかりで、ただ伝わる温もりがとても安心できて、とろりと瞼が重くなっていく。 悟空にとっても、三蔵とこうして触れ合う時間が無かった事は、我慢の限界にあったので、この状態は大歓迎であったけれど、なんとなく…そう、なんとなく聞いてしまったのだ。 「三蔵…あの、シ…シねぇの?」 悟空の言葉に僅かに目を剥いたが、三蔵はついと片手を少年の髪に差し入れた。 「シねぇよ…今はな」 その手がゆっくりと動き出す。眠りを誘う優しい感触が、悟空を夢の淵へ導いた。 静かに寝息を零す愛し子の頬に、触れるだけの口付けを送って、三蔵も瞳を閉じた。 そして… 穏やかな眠りの後に幕を開けた濃密な時間は、翌朝の一番鳥が鳴く頃まで続いたとか…続かないとか。 とにかく一行がその町を出発したのは、それから四日後だった。 おわっとけ
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| 充電=悟空 どんな法則だ…(汗) てか、サンゾーサマ絶○? 花淋拝
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